Apple独自のM1搭載チップが搭載されたMacが発表され、Macへの期待は益々高まるばかり。

Appleの黒歴史... !? 売れている製品ばかりではない
ここ10年くらいを切り取ると、Apple製品といえばどれもデザインが秀逸で、売れている製品ばかり!というイメージがないでしょうか?
Appleが大躍進を遂げたのは、ご存知の通り、1997年7月にスティーブ・ジョブズがAppleに復帰してからだと言われています。
一方で、それまでのAppleは迷走しつつ、数々の製品を世に送り出してきました。今回の記事では、Appleから過去どんな製品がリリースされていて、それは現代にどういう形で残っているのか(または完全に姿を消してしまったのか)をふりかえって見ていきます。ジョブズがバッサリ切り捨てた製品とは...?
みんな、どれくらい知っているでしょうか?
ピピンアットマーク(1995年〜1996年)
アイキャッチ画像ですでにバレていますが、そう、ひとつめは「ピピンアットマーク」。
バンダイ・デジタル・エンタテイメントがアップルコンピュータと共同開発したゲーム機(正確にはマルチメディア機)で、1996年3月下旬に発売されました。そして翌年5月には販売中止となる異例の速さでその生涯を閉じました...。はやっ!
バンダイとアップルコンピュータの足並みが揃っているとはいえない状況で、販売促進が思うように進められなかったのが原因と言われています。
「ピピンアットマーク」は、Pippin atmarkとかPippin @. とも表記され、この製品名で@(アットマーク)を覚えた人も多いとか。
Macと一部互換性があるためMacのゲームができたり、インターネット接続ができたりと、当時としては未来を感じさせてくれました。
ただ、いかんせんゲームのラインナップがしょぼすぎたのが敗因かも...。
この失敗はどう活かされたのか...?
現在はAppleとしてゲーム機は販売しておらず、Apple TV + App Storeの組み合わせにより、ゲーム機と同等の機能を提供しています。定額制のサブスクApple Arcadeもあり、もちろん、Macでもゲームが可能です。
Apple TVがあれば、iPhoneやiPadの中に入っているゲームを、家の大画面テレビに映してゲームすることができます。そして、他社から出ているゲームコントローラーを使えば、家庭用ゲーム機と遜色なく遊ぶこともできます。
QuickTake(1994年〜1997年)
アップルコンピュータがMac専用のデジタルカメラとして発売したのがQuickTakeシリーズ。1994年2月〜「QuickTake 100」「QuickTake 150」「QuickTake 200」と続きました。
当時はすでに他社からもデジタルカメラが販売されており、そちらを使っているひとが多かったと思います。かくいう僕はカシオのデジカメを使っていました。
価格が高かったためMacユーザーにもイマイチ普及しなかったのと、他社のデジカメとの差別化がなされなかったことなどで売り上げも不振でした。そもそも、Macユーザーがシェアとして少ない中で、Mac専用として販売開始したのが痛手だったのかもしれません(のちにWindowsにも対応)。
そして、1997年にジョブズがAppleに復帰してから、売れていないプロダクトラインは整理する方針だったため、デジタルカメラ事業から撤退して終わりを迎えました。
この失敗はどう活かされたのか...?
現在はAppleとしてデジタルカメラは販売こそしていませんが、みなさんご存知の通り、iPhoneやiPadにはデジタルカメラ相当のレンズおよび機能が搭載されています。
Appleはカメラ機能に自信を持って製品をリリースしており、サポートページやYoutubeで公開している動画からも、写真&カメラ機能への熱の入れ方が伺えます。
3年前の動画ですが、今でもiPhoneでの写真の撮り方がとても参考になります。
Message Pad(Newton)(1993年〜1998年)
©︎Photograph by Rama, Wikimedia Commons, Cc-by-sa-2.0-fr
世界初のPDAはアップルコンピュータからリリースされました。手書き認識機能を備えており、ARMプロセッサおよびNewton OSが搭載されていました。
メモ紙をゴミ箱に捨てるとき、メモがクシャクシャとなるアニメーションがあり、Macユーザの心をくすぐりました。
高価で大きすぎたこと、手書き認識機能もイマイチだったこと、そしてのちにPalm社が出してきた「Palm Pilot」というPDAが大ヒットしたこともあり、シェアが奪えず。
こちらもジョブズ復帰後に整理対象となり、1998年にファンには惜しまれながらも販売終了となりました。
製品名よりも搭載されているOSの名称で呼ぶ人が多く、「ニュートン」 が製品名だと思っている人も少なくないです。
この失敗はどう活かされたのか...?
PDA自体が時代のひとつの役目を終え、今はスマートフォンやタブレットがその役目を担っています。Appleは現在、iPhone / iPadでPDAを超える機能・性能を提供しています。
eMate 300(1997年〜1998年)
©︎Taken by Ryan Schultz. - http://en.wikipedia.org/wiki/Image:Applenewton_emate300.jpg
eMate 300はアップルコンピュータが発売した教育市場向けの携帯情報端末でした。つまり、一般には販売されておらず、教育機関のみ購入できる特別モデルだったのです。
背面にはハンドルがあり、ネームプレートもあったことから、まさに教育市場のために作られたモデルでした。また、そのデザインは後のiBookに継承されることになります。以下はタンジェリンモデルの画像。
どことなく...似ていると感じるでしょう。このiBookにもハンドルがついていて、子どもたちが多少乱暴に扱っても大丈夫なようにポリカーボネートの素材が採用されたりと、こちらも教育市場を見据えたモデルでした。
残念ながら、このeMate300は先述のMessagePadとともに消えてしまいました...。
この失敗はどう活かされたのか...?
こちらもジョブズの手によってその生涯を終えた製品です。ただ、先にも書いたように、のちに発表されるiBookにそのコンセプトは引き継がれています。
そして現在はiPadがこれに近いのかもしれません。日本ではまだまだ少ないですが、米国市場では教育機関でiPadを取り入れて使っているところも少なからずあるそう。別売りのキーボードもあるし、 何より軽いから持ち運びも便利になっています。
さいごに
どうでしょう、4つとも全部わかった!知ってる!っていう人はかなり昔からのAppleファンにちがいないですね。
もしかしたら「@mac.com」のメールアドレスを持ってたりするんじゃないでしょうか?

閑話休題。
現在のApple製品は、昔に比べてラインナップが増えてきています。
今回のM1チップのように、未来を感じさせてくれる製品が出て続けてくれることを、一ファンとして願っています。

さいごまでご覧いただき、ありがとうございました!
(おしまい)